こんにちは。
S学スタッフのイワサキです。
今回のコラムは”パタンナー”についてです。
パタンナーという職業は知っていても実際どんな仕事なのか?どうしたらなれるのか?
わからないことも多いのではないでしょうか。
今回はパタンナーのお仕事内容とパタンナーになる方法について詳しく解説していきます。
記事後半では、弊社パタンナーのKさんのキャリアについても紹介しています。
パタンナーの大変なところ、やりがいに感じるところなど、リアルなお話を伺っていますので将来パタンナーを目指していきたい方は最後までご覧ください。
筆者:IWASAKI AI
古着屋SPINNSで約4年勤務(販売員・国内バイヤー)後、専門学校で空間デザインを学び、在学中に古着屋立ち上げスタッフ、ウィンドウディスプレイアシスタント、こども造形教室アルバイト、人体模型制作会社勤務、など、いろいろな仕事を経て現在はSPINNS高等学院スタッフ。
プライベートでは3児の母。
・パタンナーとは
・パタンナーの主な仕事内容3つ
・パタンナーになるには【方法は2パターン】
・パタンナーに向いている人の特徴6つ
・パタンナーのキャリアと将来性
・現役パタンナーにインタビュー【Kさんのキャリア事例】
パタンナーとは
パタンナーとは正式名称がパターン・メーカー(Pattern Maker)といい、デザイナーが描いたデザイン画を元にパターン(型紙)を起こす仕事です。
一般的には、春夏秋冬季節ごとにデザインが決定し、パターン制作に入るので、季節毎に忙しくなる職種です。
「パタンナーになるためには資格が必要ですか?」とよく生徒から質問されますが、パタンナーになるための必須資格はありません。
独学でパタンナーになることもできますが、専門的な知識、技術が必要なため、専門学校などで学ぶ方がほとんどです。
もし、どうしても独学で!という方は、「パターンメーキング技術検定試験」という資格がありますので、そちらを取得されるのが良いでしょう。
パタンナーの主な仕事内容3つ
パタンナーの主な仕事内容は次の3つです。
- パターンの制作
- サンプル制作
- サンプルチェック
それでは、順番に見ていきましょう。
①パターンの制作
デザイナーとの綿密な打ち合わせ後、パターン制作に入ります。洋服の完成度は型紙の出来に大きく左右されるため、ミリ単位での精密さが求められます。
②サンプル制作
出来上がったパターンを使って、仮縫いのサンプル制作を行います。
パタンナー自身が仮縫いを行う場合もありますが、縫製士にお願いする場合は、その方達との意思疎通も重要な仕事です。
③サンプルチェック
出来上がったサンプルを元に、デザイナーとチェックしながら修正をしていきます。これを元に最初のパターンを修正していき、型紙を完成させます。
この後、縫製工場などに出す場合は、詳しい縫製仕様書を工場に提出し、サンプル制作に入ります。
1点もの製品の場合は、直接縫製士さんと打ち合わせを行います。
どうでしょうか?
なんとなくパタンナーの仕事のイメージは湧いてきましたか?
パタンナーになるには【方法は2パターン】
- パターンについて学べる、大学・短大・専門学校へ進学する
- 独学で学ぶ
それでは順番に見ていきましょう。
①パターンについて学べる、大学・短大・専門学校へ進学する
前記しています通り、パタンナーは資格必須ではありません。
しかし、アパレルメーカーなどのパタンナー採用条件には、”ファッション関連の学校で基本的な技術を習得してきた方”と明記されていることが多いためパタンナーを目指すのであれば、パターンメイキングについて学ぶことのできる専門分野の学校へ通うことをお勧めします。
またパタンナーという仕事は、経験がとても必要な技術ですので、出来るだけパタンナーとしての経験豊富な指導者がいる学校が良いと言えます。
専門分野を学んでからの進路としては、デザイン事務所や洋服メーカーに就職するのが一般的です。
②独学で学ぶ
現在は多種多様な教材が一般購入も可能で、勉強する機会も多様にありますので、独学でパタンナーになることは可能です。しかし、独学で学ぶ場合は、分からないことがあっても誰かに聞くことはできません。わからない部分が出てきたときには、面倒くさがらず、自分で調べたり人に聞くなどの積極性が必要となります。
その際、インターネットには誤った情報が出ていることもあるので、注意しましょう。
独学でパターンを学んだ後の進路としては、企業へ就職という道ではなく、フリーパタンナーとして活動される方が多いようです。昨今のSNSなどの普及により、直接デザイナーさんと繋がることもできますし、より自由なワークスタイルで働くことができます。
パタンナーに向いている人の特徴6つ
- 職人気質な人
- 神経質な人
- コツコツ努力することが好きな人
- 責任感が強い人
- 一人が好きな人
- コミュニケーション力がある人
それでは、6つの特徴について解説していきます。
①職人気質
デザイナーの頭の中だけにあるものを、いかに的確に汲み取り、実際の形にしていく
道筋を作れるか、それはパタンナーの腕にかかっています。
それは、一長一短では決してできない、職人技とも言えるでしょう。
なんでもコツコツ粘り強く続けられる職人気質の方に向いています。
②神経質
”神経質”という言葉には、色々な印象がありますが、この場合での”神経質”は、細かい所にも気付く、作業が丁寧である、など良い意味で捉えてください。
ミリ単位で、服のシルエットや着心地が変わってきますので、神経質に物事を考えられることは、パタンナーにとっては、とても利点なのです。
③コツコツ努力することが好きな人
①でも触れましたが、パタンナーの仕事は、細かい作業を黙々と続けることが多いので、何事にも真面目にコツコツ続けられる忍耐力が大切です。
勢いで一発当ててドーン!な性格より、堅実努力型の方が向いているでしょう。
④責任感が強い人
パターン制作には必ず納期があります。
その納期をしっかり守れる、責任感の強い方に向いています。
パターンの正確性も重要です。自分の制作したパターンに責任を持つことも大切です。
⑤一人が好きな人
”一人が好きな人”には、一人でご飯を食べにいく、一人で映画を観にいく、など色んなイメージがあると思います。
パタンナーという仕事は、みんなでワイワイするというよりも、一人で黙々と作業を進めることが多いので、一人で仕事をするのが好きな方に向いています。
⑥コミニュケーション力がある人
⑤で、”一人が好きな方”に向いていると示しているのに、真逆のようなことを言ってすみません。パターン制作自体は、職人仕事そのもので黙々と一人で作業するのですが、パタンナーには、デザイナーとの意思疎通という重大ミッションがあります。
こちらでいう”コミュニケーション力がある方”というのは、常に明るくにこにこしている元気な方、ということではありません。
相手の話をしっかり聞き、自身の考えもしっかり相手に伝えられる、お互いを信頼しあえる関係を作る、ということです。
パタンナーのキャリアと将来性
パタンナーの仕事の平均年収は約379万円程度です。
日本の平均年収と比較すると低い傾向にありますのでそのことが理由でパタンナー職から離れてしまうということも少なくないようです。
しかし、デザイナーにとって、パタンナーはどうしても必要なパートナーです。腕のいいパタンナーは、ファッション業界では引く手あまたの状態で、取り合いになりますので、給料も上がります。
独立してフリーランスとして働き、海外の有名ブランドで働く方もいるようです。
かっこいいですね!
厳しい世界ではありそうですが、夢はどんどん広がりますね!
現役パタンナーにインタビュー【Kさんのキャリア事例】
Kさん=S学の母体であるSPINNSと同じく、弊社が運営する店舗(USEDを拡張する進化型古着屋森)のパタンナーをしています。
Kさん(現役パタンナー)の経歴
2012年 monomania福岡店で販売を担当
2014年 monomania東京店で販売、リメイク業務を担当
2017年 monomaniaの終了に伴い退社
2020年 森のリメイク担当として再入社
2021年 森でパタンナーを任される
パタンナーの基礎を学ぶなら専門学校
Kさんは、中学の頃から服が好きで、高校はデザイン関係の学校に進みました。
その後、デザイン、パターン、縫製が学べる専門学校へ進み、基礎をしっかり学びました。この、基礎の学びがとても大切とおっしゃっていました。
基礎を学ぶことで、パターンを見ただけで、カーブが変なことに気づけたりするので、結果、縫製前の段階で、動きづらさ、着心地の感覚などもわかるようになるそうです。
喜ばれるデザインの源は人との出会い
Kさんが、専門学校に行ってとても良かったことの一つに、人との出会いがありました。マニアックな先生がたくさんいらして、その先生たちから培った、癖の強いこだわりのようなものが、今の自分の仕事にも生かされているそうです。
周りの人が喜んでくれることが何より嬉しいというKさん。
難しい企画デザインが持ち上がった時、これはさすがに無理かな?とみんなが諦めムードになってしまっている時に、やってみます!と挑戦し、ああでもないこうでもないと試行錯誤し完成できた時、みんなが驚き、喜んでくれた時に何より幸せを感じるそうです。
良いデザインを自ら身につける【パタンナーとしての感性を高める】
良いパタンナーになるには?と尋ねると、ズバリ一言「良い服を着ること!」と答えてくださったKさん。
良いデザインのものは、”身につけることで良い形を肌で感じることができる”。
決して安い買い物ではないハイブランドの洋服。
清水の舞台から何度も飛び降り、知識だけではなく、同時に、パターンを体でも実感しながら学んできたそうです。
Kさんが今後挑戦したい事は、新しいことを幅広く学ぶこと。
自分が学び、レベルアップすることで、会社のためになり、みんなのためになる。みんなが喜ぶことをしたい!と、
常に周りの人の笑顔をベースに考えているKさんは、とても素敵でした。
まとめ
今回はパタンナーの仕事内容とパタンナーになる方法について解説してまいりました。
弊社パタンナーのKさんのキャリア事例でも紹介したように、パタンナーの大変なところ、やりがいに感じるところなど、リアルなお話を聞くことができました。
パタンナーを目指している方は、参考になったのではないでしょうか?
確かに、ただ、服が好き!面白そう!と軽い気持ちで飛び込めるような甘い世界ではなさそうですよね。
でも、仕事ってみんなそんなもので、全てが楽な仕事なんて絶対にありません。
大変なことや辛いことも吹っ飛んでしまうくらいの喜びややりがいがあればこそ!
頑張れるんだと思います。
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